2010年6月20日日曜日

POE


Emmett です。おはようございます。

POE (Power Over Ethernet)、とは、端的にいうと、イーサネットの線に端末電源供給用の低圧電流をデータと同時に供給すること。 今日はそのご説明。

まず、ネット上の(端末)アプライアンスに電源供給をするのには、いくつかの方法があります。
  • 商用電力(100V)で供給:カメラを天井につけたり、リーダを机につけたり、アプライアンスは多いですから、電源工事が大変になりますね。 
  • 電池を使う:電池を毎回取り替えるのは不便ですし、梯子を多用するのは危険でもあります。
  • 風力、ソーラーなどの自然エネルギーを使う:エコでよいのですが、環境が整うか?また十分な電力が供給できるかが問題です。
では、この100年以上家庭のネットアプライアンスとして使われてきたアナログ電話は、どう給電されてきたのでしょう? FAX には、電源アダプター付きますが古い黒電話には付いてませんよね? 実はこのアナログサービス、あだながついています。 POTS (Plain Old Telephone Service)


POTS電話線は銅線2本、それに 双方向の通話、「りんりん」鳴らす機能、電源供給、「ピポハ」と鳴らす発信機能。テンコ盛りです。

POTS の素晴しかったのは、電話局からの電源供給です。電話局に巨大な電源、電池設備を持っており、すべてのラインに -48V で直流電源供給をしています。 電力会社のグリッドが停電しても、POTS電話は使えます。漏電等での火事も少ないでしょうし、よいシステムでしたから、100年以上使われたのでしょう。

話をPOEに戻しましょう。 アプライアンスに電源供給するには、POTSのように信号線と一緒に低圧電力を供給することが、妥当であると 皆は考えました。何せ、今の1000baseT などの物理的信号線は電話の規格から来ていますし、Tは電話のTでした。 先祖帰りです。 現在の規格は、802.af と呼ばれております。

リクエストがあると、48Vの電流を信号線と一緒に流しますが、いくつかの安全機能が付いています。
  1. 電源供給リクエストとして、終端抵抗が25KΩであることを確認
  2. 最低400msごとに を 5-10mAを60ms以上使用しないと電源が切れます。
このような規格を通じ、POEが実現されており、業務レコーダのカメラ配線は、LANケーブル1本で作動します。



最後にひとつ、現場へのいくつかヒント
POEは、終端抵抗の値で端末の確認をしています。ですから、
  • 非POE端末をPOEポートにさしても特に問題ありません。
  • もちろん、 POE端末を非POEポートにさすと、電源供給はされません。
  • POE端末が接続されていないPOEラインには48Vの電流は流れていません、安心してください。 

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